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軽度認知症(MCI)とrTMS療法について

「最近物忘れが気になる」「すぐに言葉が出にくくなった」そんな思いを抱えていませんか?
軽度認知症(MCI)とは
軽度認知症(MCI:軽度認知障害)は、認知症の前段階とされる状態で、記憶力や注意力の 低下が見られるものの、日常生活には大きな支障がないことが特徴です。高齢化に伴い、 「最近物忘れが増えた」「会話中に言葉が出てこない」といった症状を気にされる方が増えています。この段階で医療機関に相談し、適切な対応を行うことが重要です。

rTMS療法とは
rTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)は、磁気コイルを頭部に当て、脳の特定部位に磁気刺激を与えることで神経活動を調整する医療技術です。うつ病治療としては保険適用がありますが、軽度認知症に対するrTMS療法は現時点で保険適用外の自由診療です。国内外で研究が進められていますが、効果には個人差があり、すべての方に有効であることを保証するものでは ありません。

治療の目的と位置づけ
rTMS療法は、認知機能の改善を目的とした補助的治療法であり、認知症の進行を完全に防ぐことを保証するものではありません。薬物療法や生活習慣改善と併用される場合があります。
治療内容・回数・費用(当院の場合)
・治療内容:磁気刺激装置を用いて、頭部の特定部位に刺激を与えます。
・1回の所要時間:約30分
・推奨回数:10回程度(週2~3回)
・費用:1回あたり7,700円(税込)
※自由診療のため、健康保険は適用されません。
主なリスク・副作用
非侵襲的脳刺激法の一つであり、基本的に身体への侵襲はない極めて安全な治療です。しかし、刺激中における頭皮の刺激痛は約30%に認め、時にそれを不快と感じられる場合もあります。首や肩のこり、頭痛と感じる場合もあります。多くはrTMSを施行している最中の一時的な症状です。なお、てんかん発作の既往がある方は注意が必要です。

注意事項
・本治療は研究段階の要素を含み、効果には個人差があります。
・医師による診察・適応判断が必要です。
・他の治療法と比較して優れていると断定することはできません。
【限定解除要件に基づく表示】
・本ページは、患者さんが自ら求めてアクセスできる情報提供を目的としています。
・治療内容・費用・リスクを明示しています。
・本治療は自由診療であり、公的医療保険は適用されません。
まとめ
軽度認知症に関して不安を感じたら、まずは医師に相談してください。rTMS療法は選択肢の一つですが、効果や安全性については十分に説明を受け、納得したうえで判断することが大切です。
監修:青葉さわい病院 リハビリテーション科 佐々木 信幸 医師
青葉さわい病院
脳卒中後のリハビリや認知症治療にrTMSを導入。専門医による診断と治療が受けられます。